社運を賭けた新規事業のリーダーという大役。大きなやりがいと、これまでにないほどのプレッシャーがその両肩にかかっていることでしょう。そんな中、「自分が白い龍に乗って、空高く昇っていく」という壮大でリアルな夢を見たのですね。
目が覚めてもなお残る、あの不思議な高揚感。「これは、このプロジェクトが成功する前触れに違いない!」…その直感、結論から言えば、完全に正しい。
しかし、その夢は単なる幸運の知らせではありません。それは、あなたの無意識が、リーダーとしてのあなたの「覚悟」に応え、プロジェクトを成功に導くために送ってきた「天からの戦略書」なのです。
この記事では、経営心理コーチである私が、単なる夢の解釈に留まらず、その神話的な体験を、現実のビジネスを動かすための具体的な「戦略」に翻訳していきます。
[著者情報]
この記事を書いた人:高坂 隼人(こうさか はやと)
経営心理コーチ / 元・外資系戦略コンサルタント
ユング心理学を応用したエグゼクティブ・コーチングを専門とし、特に新規事業リーダーが直面するプレッシャーを、組織の推進力に変えるためのマインドセット構築を得意とする。Forbes JAPANにて「神話と経営」をテーマに連載中。スタートアップ経営者を中心に、年間50名以上のパーソナルコーチングを担当。
【結論】おめでとうございます。その夢は、あなたの覚悟が決まった「戴冠式」です
まず、心からお祝いを申し上げます。あなたが見た龍の夢、特に白龍に乗って天に昇る夢は、夢占いにおいて「これ以上ない」と言われるほどの大吉夢です。それは、あなたの仕事運が最高潮に達し、人生が大きく飛躍する成功のサインとされています。
しかし、私がこの夢を「おめでとうございます」と申し上げるのには、もう一つ、より深い理由があります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: その夢は、未来を予言しているのではありません。あなたの「現在」を祝福しているのです。
なぜなら、多くのリーダーをコーチングしてきた経験から断言できるのは、このような象徴的な夢は、人が大きな決断を下し、腹を括った「後」に見るものだからです。「このプロジェクトを絶対に成功させる」というあなたの強い意志と覚悟が、あなたの無意識を動かし、龍という形で姿を現した。つまり、あの夢はあなたのリーダーとしての「戴冠式」だったのです。
ですから、「この道を進んでいいのだろうか?」と迷う必要は一切ありません。あなたの深層心理は、すでに答えを知っているのです。
なぜ龍の夢はただの吉夢ではないのか?ユング心理学が解き明かす「無意識のエネルギー」
あなたの夢の価値を、単なる「縁起の良い夢」で終わらせてはあまりにもったいない。その重要性を理解するために、少しだけ心理学の話をしましょう。
心理学者カール・ユングは、龍(ドラゴン)を、我々の意識的なコントロールを超えた「無意識の強大なエネルギー」の象徴と捉えました。
このエネルギーは、時に我々を飲み込もうとする破壊的な力、つまり、あなたが今感じているプレッシャーや、これから直面するであろう困難の象徴として現れます。
しかし、世界中の神話で英雄が龍を「乗りこなす」物語が語り継がれているように、人がその強大なエネルギーに飲み込まれず、自らの意志で乗りこなす夢は、無意識の力を完全に味方につけ、より高い次元の自己へと成長する(自己実現)プロセスそのものを描いているのです。
夢占いが龍を成功の象徴とするのは、このユング心理学的な解釈に基づいています。つまり、あなたが見た夢は、「幸運が訪れる」という受け身のメッセージではなく、「あなたは、この新規事業が持つ計り知れないポテンシャルと困難(=龍のエネルギー)を乗りこなし、それを成功へと導く力を持っている」という、あなたの深層心理からの極めて能動的で力強い「信任状」なのです。
幸運の波に乗るリーダーの「2つの条件」
では、その強大なエネルギーを、どうすれば現実の成功に結びつけることができるのか。それは、あなたが「龍を乗りこなすリーダー」として、2つの条件を満たすことにかかっています。

① 龍の視点で「ビジョン」を語る
あなたが夢で見たのは、地上から見上げる龍ではなく、龍の背中に乗って見た「遥か上空からの景色」のはずです。リーダーシップにおける最も重要な仕事は、その景色、すなわち「この新規事業が成功した暁に、我々は何を成し遂げ、社会にどんな価値を提供しているのか」という明確なビジョンを、チーム全員に語り続けることです。日々のタスクに追われるのではなく、常に龍の視点で未来を指し示すことが、チームのエネルギーを一つの方向へと束ねます。
② 龍の背中を「安全地帯」にする
強大な龍の背中は、スリリングであると同時に、振り落とされそうな恐怖(プレッシャー)も伴います。優れたリーダーは、その龍の背中を、メンバーが「落ちそう、助けて」と正直に言える「心理的安全性」の高い場所に変えることができます。「この部分、私は詳しくないから教えてほしい」と、リーダーであるあなた自身が、まず勇気を持って弱さを見せること。それが、チームの信頼を育み、結果的にプロジェクトを最も安定して飛行させる力となるのです。
もし龍が暴れる夢だったら?夢を「自己診断ツール」として活用する方法
最後に、今後のために、夢との付き合い方についてお話しします。
今回は最上の吉夢でしたが、もし今後、龍が暴れたり、龍から逃げたりする夢を見たとしても、決して悲観する必要はありません。
それは、運気が下がったサインではなく、「あなたがプロジェクトのエネルギーに少し飲み込まれかけているよ」という、あなたの無意識からのアラートです。
- 龍が暴れる夢: 「一人で抱え込みすぎて、プレッシャーが限界に近い」というサイン。→ チームを信頼し、仕事を任せる勇気を持つ時。
- 龍から逃げる夢: 「プロジェクトの困難から、目を逸らしたい気持ちがある」というサイン。→ 最も向き合いたくない課題は何か、一度立ち止まって整理する時。
このように、夢はあなたの心の状態を客観的に映し出す、極めて優秀な「自己診断ツール」として活用できるのです。
まとめ
あなたが見た白龍の夢は、単なる幸運の予兆ではありません。
それは、あなたがプロジェクトリーダーとしての重責を引き受け、その覚悟が定まったことへの、あなたの深層心理からの「戴冠式」でした。
答えは夢の中にあるのではなく、すでにあなたの中にあります。
その夢がくれた絶対的な自信を胸に、龍の視点でビジョンを語り、龍の背中をチームの安全地帯に変えてください。
さあ、明日、チームのメンバーに、あなたが龍の背中から見た「最高の未来」を語ることから始めてみませんか?
[参考文献リスト]
- C.G.ユング 著, 『元型論』
- Forbes JAPAN リーダーシップ関連コラム
- ProSharing Consulting, Inc. 「新規事業開発の成功例/失敗例に共通する要因とは?」

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