「夜中に、家族と離れ離れになる大地震の夢を見て、心臓が飛び出るような恐怖で目が覚めた…」
「これは何かの前触れ?予知夢だったらどうしよう…」
今も夢の光景が頭から離れず、言いようのない不安に苛まれて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。とても怖い夢でしたね。心臓がドキドキして、今も不安な気持ちでいっぱいなのではないでしょうか。
大丈夫ですよ。まず、深呼吸を一つしましょう。
公認心理師として、まず最初にお伝えします。その夢は、現実にはなりません。それは、あなたの心が発している、大切なSOSサインなのです。
この記事では、15年以上の臨床経験を持つ心の専門家である私が、なぜ地震の夢が予知夢ではないのかという明確な理由、あなたの心が悲鳴を上げている本当の原因、そして、今すぐその恐怖を手放して安心するための具体的な方法を、あなたの恐怖に寄り添いながら、一つひとつ丁寧にお伝えします。
この記事を書いた人
深月(みつき)/公認心理師・夢カウンセラー
臨床心理士として15年以上のキャリアを持ち、トラウマ・ストレスケア、悪夢の心理分析を専門とする。特に産後や育児中の女性のカウンセリングを多数経験。「夢は敵ではなく、あなたの心を守ろうとする味方です」という信念のもと、科学的知見に基づき、相談者の不安を一つひとつ丁寧にときほぐすカウンセリングに定評がある。15年以上の臨床経験を持つ心の専門家が、あなたの恐怖に寄り添います。
【最初に断言します】その大地震の夢は、予知夢ではありません
カウンセリングの現場では、「先生、この夢は正夢になるんでしょうか?」と、涙ながらに尋ねる方は少なくありません。特に、あなたが見たようなリアルで恐ろしい夢であれば、そう考えてしまうのは当然のことです。
しかし、私は専門家として、ここで強く断言します。あなたが見た地震の夢が、現実の災害を知らせる予知夢である可能性は、まずありません。
心理学的に、悪夢は未来を予測するものではなく、過去から現在にかけてのストレスや未解決の感情を、脳が整理・処理するための『心の働き』であると考えられています。つまり、夢は未来のお告げではなく、あなたの「今」の心の状態を映し出す鏡なのです。ですから、どうか「悪いことが起きるんだ」と怯えないでください。
では、なぜあんなに怖い夢を?夢の正体はあなたの「心のSOS」です
「予知夢ではないと分かっても、なぜあんなに恐ろしい夢を見るの?」と思いますよね。
現実世界で抑圧された強いストレスや不安が、心の中でコントロール不能な地震の夢として現れることは、カウンセリングの現場では非常によくあるケースです。
「平穏な毎日が、もし突然壊れてしまったら…」
「大切な家族を守りきれなかったらどうしよう…」
あなた自身、普段は意識していないかもしれませんが、心の奥底にそうした漠然とした不安を抱えていませんか?特に、家庭や子育て、仕事などで責任感が強く、真面目な方ほど、知らず知らずのうちにストレスを溜め込みがちです。
その夢は、あなたの心が「もう一人で抱えきれないよ」「少し休んで」とあなた自身に送っている、悲鳴にも似たSOSサインなのです。そして、「家族と離れるのが怖い」と感じたのは、あなたがそれだけご家族を深く、強く愛している、何よりの証拠でもあるんですよ。
夢の状況で意味が変わる|最悪の事態?それとも逆転のチャンス?
夢のメッセージをもう少し詳しく読み解いていきましょう。夢の結末や状況によって、その意味合いは大きく変わってきます。夢の状況を少しだけ思い出せますか?
まず、最も希望の持てる情報からお伝えします。もし夢の中で、どれほど怖い思いをしても、最終的にあなたが「助かる」あるいは「生き残る」のであれば、それは困難な状況を乗り越え、事態が好転することを示す吉夢の可能性が非常に高いです。
その上で、代表的な夢のパターンが示す意味を、下の表で確認してみましょう。ご自身の夢と見比べてみてください。
地震の夢「吉凶」パターン早見表
| パターン | キーワード | 暗示されること |
|---|---|---|
| 【吉夢の可能性が高いパターン】 | 地震から助かる・生き残る | 問題解決、事態好転、運気上昇 |
| 揺れが小さい・すぐ収まる | 小さな変化、チャンスの到来 | |
| 地震後に誰かを助ける | 対人運アップ、リーダーシップの発揮 | |
| 【警告夢の可能性が高いパターン】 | 家が全壊する | 生活基盤の崩壊、価値観の大きな変化 |
| 津波が押し寄せる | 感情的なパニック、人間関係のトラブル | |
| 火事が発生する | 抑えきれない怒り、衝動的な行動への警告 |
夢の恐怖から心を解放する、今すぐできる3つのこと
夢の意味を知っても、まだ心臓がドキドキしたり、胸のあたりがザワザワしたりするかもしれません。それでいいんです。それだけ、あなたの心が強いストレスを感じていた証拠ですから。
最後に、カウンセリングの現場でも実際に使われている、夢の恐怖から心を解放し、穏やかな気持ちを取り戻すための具体的な方法を3つご紹介します。
- 「書く」ことで、恐怖を外に出す
誰にも見せる必要はありません。ノートや裏紙に、見た夢の内容、その時感じた恐怖、今あなたが不安に思っていることのすべてを、思いつくままに書き出してみてください。心の中にあるモヤモヤを文字として外に出すだけで、驚くほど気持ちが整理され、客観的になれます。 - 「話す」ことで、一人じゃないと知る
もし可能であれば、ご主人や信頼できる友人に、「すごく怖い夢を見ちゃって、まだドキドキしてるんだ」と、今の気持ちを話してみてください。大切なのは、夢の分析をしてもらうことではありません。「怖かったね」と共感してもらうだけで、あなたの心は「一人じゃない」と感じ、安心感を取り戻すことができます。 - 「触れる」ことで、”今”の安全を感じる
冷たい水で顔を洗う。温かいハーブティーを、カップの温かさを感じながらゆっくりと飲む。お気に入りのブランケットの、柔らかい手触りを感じる。五感を使って、安全な「今、ここ」の現実をゆっくりと感じてみましょう。これは「グラウンディング」という心理療法の一つで、パニックや不安を鎮めるのにとても効果的です。
まとめ:怖い夢は、あなたを守ろうとする心の働きです
この記事で、あなたに一番伝えたかったことを、もう一度お伝えします。
- あなたが見た大地震の夢は、予知夢ではありません。
- その原因は、あなたが無意識に抱えているストレスや、変化への不安です。
- そして何より、あなたは一人ではありません。
恐ろしい夢は、あなたの心が「もう一人で頑張らなくていいんだよ」「誰かに頼っていいんだよ」と送ってくれた、あなた自身からの優しい手紙です。
どうか今夜は、いつも家族のために頑張っているご自分をたくさん労って、温かくして休んでくださいね。
もし、この不安がどうしても消えない、あるいは夢の原因となっているストレスについて専門家と話してみたいと感じたら、一人で抱え込まずに、お近くのカウンセリング機関や、自治体などが設けている公的な相談窓口に連絡することも考えてみてください。


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